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本当にあった恐ろしい航空事故

機長がトイレに行っている間に副操縦士が拡大自殺を図り墜落【ジャーマンウイングス9525便墜落事故】

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人類が空を飛び始めてからおよそ100年、その歴史の中で様々な航空事故が起こってきました。飛行機の事故は悲惨な結末になることが多いです。墜落すれば命が助かる可能性は極めて低いからです。乗員乗客全員が亡くなることも珍しくありません。

墜落事故により犠牲者が出てしまうのは悲しいことですが、事故が起きるからこそ問題点や改善点が見つかり、それが今後の空の旅の安全へとつながっていきます。事故が起こるたびに、再発防止のための技術やルールは進化していくと言ってもいいでしょう。

ここでは、「本当にあった恐ろしい航空事故」をテーマにこれまで事故の中でも特に恐ろしい原因、またはひどい原因で起きた事故を紹介していきます。そして事故をきっかけに航空業界がどう変わったのかも簡単にですが説明していきます。

今回紹介するのは「ジャーマンウイングス9525便墜落事故」です。

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ジャーマンウイングス9525便墜落事故

概要

日付:2015年3月24日
便名:ジャーマンウイングス9525便
乗客数:144
乗員数:6
死者数:150(全員)
生存者数:0
機種:エアバスA320-211

ジャーマンウイングスは2002年に設立され、2009年にはルフトハンザ航空の子会社となった、ヨーロッパをカバーする格安航空会社です。

2015年3月24日午前10時過ぎに、ジャーマンウイングス9525便はスペインのバルセロナ=エル・プラット空港からドイツのデュッセルドルフ空港に向け離陸しました。
離陸から26分後、機は3万8千フィート(約11,600メートル)の巡航高度まで上昇しました。フランスを横断中はマルセイユの管制官と交信をします。

しかし10時30分頃、機は管制官の許可なしに降下を始めます。マルセイユの管制官からの問いかけにも応答しません。機はそのまま降下し続け、数分で1万フィート下がりました。並行して飛行中の航空機に交信を中継してもらうも、応答がありません。

応答が途絶えて10分、高度はすでに7,000フィートを切っていました。そして高度6,000フィート(約1,800メートル)付近でレーダーから機影が消失し、アルプス山中に墜落しました。

事故から1時間後、救助隊が機体の残骸を見つけますが、生存者がいる見込みはありませんでした。

フランス国内の航空機事故としては30年来の大惨事となりました。

 

事故原因

・副操縦士による故意の墜落

コックピットボイスレコーダーには機長がトイレに行くために外に出る音、そして戻ってくる際にドアを必死に叩く音が記録されていました。コックピットのドアは外から暗証番号を入力し解錠できますが、コックピットで解錠を拒否することができます。機長はインターフォンで副操縦士に呼びかけましたが開けてもらえませんでした。緊急時用の斧でドアの破壊を試みる音もボイスレコーダーには記録されており、事態の深刻さが伺えます。

副操縦士はルフトハンザの養成所での基礎訓練時、重度のうつ病で9ヶ月休学していました。さらに医師の報告書には自殺願望が見られると書かれていました。その後、医師は回復したと判断し副操縦士は養成所に復帰します。訓練を終えたあとジャーマンウイングスのパイロットに採用されました。

副操縦士は社内の産業医から定期検診を受けており、最後の検査は事件の7ヶ月前で、結果は問題なしでした。実際、彼は数年の間安全に飛行機を飛ばしていました。
しかし事件の数ヶ月前から状況が悪化します。副操縦士は視力が悪化したことを自覚しており、そのことがパイロットとしての将来が断ち切られる不安を増していたと考えられます。

家宅捜索により、精神障害により業務不適格と記載された診断書も見つかりました。日付は事故直前のものでした。彼は41人もの医師にかかっており、医師の何人かは飛行機の操縦を中断し精神科に入院するよう勧めていました。しかしパイロットの精神状態が危険だと航空会社に直接連絡した医師はいませんでした。そのためルフトハンザは副操縦士の状態を把握していませんでした。医師は病気休暇の診断書さえ書けば本人が航空会社に提出し、操縦を中断すると考えていたのです。

事故現場から見つかったフライトデータレコーダーから、機長がコックピットを出た直後に高度を100フィート(約30メートル)にセット、速度設定を最高速まであげていたことがわかりました。

その後の調査により、さらに驚くべきことが判明します。バルセロナ発、デュッセルドルフ行は復路で、副操縦士にとってはその日二度目の搭乗でした。その前に往路のデュッセルドルフ発、バルセロナ行に乗っており、そのときも機長が席を外していました。副操縦士はコックピットで一人の時間になったとき、同じように目標高度を100フィートにセットし、すぐにもとに戻していたことがわかったのです。
これは数時間後の本番に備えた予行演習だったと考えられています。

以上のことから周到に計画された無理心中だと結論付けられました。

 

事件後の対策

・コックピット内の常時2人以上体制の義務化

欧州航空安全機構(EASA)は航空機の運行中は操縦室内に常時2人いることを求める暫定勧告を3月27日に出しました。それを受けルフトハンザ航空では飛行中の航空機の操縦室に常時2人の乗務員がいるよう義務付ける新たな規則を導入しました。
日本の国土交通省は国内の航空会社に対して、操縦室内に2人以上常駐することを義務付けました。

・医師の守秘義務解除に関してルールを明確化するよう提言

副操縦士の精神状態を把握していた医師が航空会社に連絡をしていればこの事件は防げていたはずです。しかしドイツでは患者の医療情報を漏洩させた場合告発される可能性があります。そのため医師は休職するかどうか副操縦士の判断にまかせたのです。公衆安全と個人情報保護のバランスを調整するためフランス航空事故調査局(BEA)は医療従事者のための明確なルールを作ることを勧告しました。同時に航空会社のパイロットに対する精神面の健康評価の強化を求めました。

-本当にあった恐ろしい航空事故

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